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レポート中国語圏

【台湾】天主教輔仁大学

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こんにちは!文学部中国文学科の4年生です。現在、私は大学の奨学金留学制度を使って、台湾の天主教輔仁大学へ留学しています。元々2021年度の3年生時に留学をするつもりでしたが、コロナウイルスの影響により留学時期が約1年ほど延期になりました。
やっとのことで台湾への留学が解禁されましたが現在大学4年生であり、就職先を決めずに留学することに対してとてもリスクがあると感じた為、就職活動を終わらせてから留学することを選択しました。幸い就職活動は無事終わらせることができましたが、卒業論文を抱えて留学することになりました。大学4年時に留学する/留学先で卒業論文を制作するという前例があまりなく、たくさん不安がありましたが、大学4年生で留学を考えている方、それ以外にも台湾での留学を考えている方への参考になればと思い、私の留学生活を書かせていただきます。

 

【授業について】
まず私が通っている輔仁大学語学センターについて紹介します。
語学センターは1学期3か月で、午前又は午後の1日50分×3回の中国語の授業が平日毎日あります。入学前にオンラインで簡単な会話と筆記のテストを受け、その後自分のレベルにあったクラスに配属されます。クラス自体は7人前後で、様々な国籍の生徒がいます。さらに輔仁大学はカトリック系の大学のため、同じクラスに神父さんやシスターがいることがあります。
授業自体は学校指定の教科書を購入して進めていきます。完全に中国語で行われるので、日本で中国語を聞く機会があまりなかった為初めはとても戸惑いました。又、生徒が中国語を理解していない場合、先生が英語に言い換えて説明してくれる事もありますが、私は英語が全くできないためとにかく中国語に慣れることに専念しました。(しかし他の国の留学生は、中国語はできなくても英語はできるといった人が数多くいるので、英語が話せるに超したことはないです。)

 

【生活について】
・住環境
私は大学内にある学生寮に住んでいます。4人1部屋で、1人1つの机、椅子、クローゼット、ベッドがあります。机の上にベッドがあるロフト型のベッドです。トイレ、シャワー室、洗濯機は共同で、設備は少し古く不便に感じることもありますが、寮費は3か月で7000元(3万円ほど)なので特に学校外で1人暮らしをしたいというような希望がなければ、寮に住むのは良い選択だと思います。定期的に寮でイベントが開催されたり、語学センターの留学生も多く寮に住んでいるので、寮内で人脈が広がることも寮生活のメリットだと感じています。
・食生活
学食以外にも大学の周りにスーパーやコンビニ、たくさんの飲食店があります。食に困ることはなく、寮内にはキッチンが無い為必然的に外食する機会が増えるかと思います。(ほとんどの飲食店がテイクアウト可能なので、持ち帰って寮で食べることもあります)1食大体100元前後(500円以内)で済むので食費に負担を感じることはないです。学校の近くにドラッグストアや生活用品店もある為、ある程度生活に必要なものは何でも揃います。大学前に駅やバス乗り場もあるので、台北駅まで30〜40分はかかりますが交通面でも特に不便に感じることはないです。

 

【就職活動と卒業論文について】
結論から言うと、大学4年生での留学はあまりおすすめできません!
・就職活動
特にやりたい職業や行きたい企業がなかった為、最低限私が働く上で希望するものにマッチした企業への就職を決めました。今後の自分の仕事より目の前の留学に重きを置いていたため、とりあえず就職先を決めなければ!という焦りから、視野を広く持たずに決めてしまいました。幸い内定をいただいた企業の方々はとても優しく、留学に対しても肯定的に捉えていただきこの企業でなら頑張れそうだと感じましたが、全く中国語に関係のない職業を選んでしまった為、留学終了を目前としている今、もう少し余裕を持って選択しても良かったのではないと感じています。就職先を決めてから留学に来たことで帰国後に対しての心の余裕はありましたが、就職先を決めずに来たとしてなにも死ぬわけではないので(笑)
・卒業論文
論文に必要な参考資料や、下調べをあまりせずに留学へ来てしまいました。幸い台湾の国立図書館や学校の図書館に必要な資料があったこと、指導教員の先生の手助けのもと期限内に書き切ることはできましたが、卒業論文の出来に物足りなさを感じています。留学へ来る前に資料の準備を万全にしておくに超したことはないと思います。
このように大学4年生の後期に留学することは、私の中でとても大きな決断でした。やってみなければわからないし、実際に経験してみてどうにかはなると感じましたが、やはり大学4年生の後期に留学することはあまりおすすめはできません(笑)

 

【その他】
コロナ禍での入国だった為、初めの7日間はホテル隔離がありました。基本的にインドアなので初めは外出できない生活にあまり苦を感じていませんでしたが、目まぐるしい入国手続き、初めての親元を離れた環境、かつ太陽があまり差し込まない部屋だった為、少しホームシックになりかけました。しかし入寮してからは常に部屋にルームメイトがいたり、友達がご飯に誘ってくれるような環境に身を置けているので、ホームシックになる暇がないといった感じです。
元々簡体字で中国語を勉強していた為、中国への留学を考えていましたが、コロナの影響でやむなく台湾を選択する形になりました。しかし実際に台湾に住んでみて、とても住みやすい国だと感じました。食べ物は美味しいものばかりで、気温は日本より遥かに温暖です。(天気予報はあまり信じない方がいいです。常に傘を持ち歩くことをおすすめします。)
留学を経験してみて、やはり実際にその言語が使われている国に赴くことが、言語習得に1番良い方法だと感じました。又、日本の漫画やアニメが好きで日本語に関心があるという台湾人はとても多いため、台湾は中国語学習に適した環境です。前述した通り、輔仁大学の語学センターには神父さんやシスターがいることもあり、今まで知り合うことのなかった人々と出会うことができました。様々な国の人と話をすることによって、その国の文化や風習を知ること、同時に自分の考え方や視野を広げることができました。留学に来ることの1番の目的は語学の上達でしたが、このように様々な国と日本の文化の違いを学べることが留学の醍醐味だと思います。
又、クリスマスには大学内に数多くのクリスマスツリーが建てられます。語学センター主催のクリスマス会もあり、とても楽しいクリスマスを過ごすことができました。秋学期から冬学期にかけて留学すると、ハロウィンから年越しまでの行事を海外で過ごすことができるのでこの時期の留学はおすすめです。
留学生活も残り1か月を切った今、大学生活が約2年ほどコロナウイルスの影響で潰れた私にとって、今回の留学はとても良い選択だったと感じています。留学で得られる経験は人それぞれですが、間違いなく刺激のある毎日を送ることができ、自分の財産になると思います。このレポートが少しでも参考になれば幸いです。自分の選択に自信を持って、楽しく有意義な留学生活を送れることを願っています。