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レポートアジア・ヨーロッパ圏

【ドイツ】トリアー大学

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 私は2017年3月から2018年2月までドイツのTrier大学で二学期に及び留学をしていた。ドイツへ発つ前から私はその内容をある程度は予想していたが、終わってみるとこの留学生活はその予想を良くも悪くも裏切ってくれた。

 

 ヨーロッパという地域自体が初めてだった私にとって、この留学ではドイツ到着時から帰国時まで約1年を通して毎日新鮮な刺激を受けることができた。そのなかで日本とは大きく異なった景観や文化、社会システムなど興味深いことはもちろんあったが最も印象に残ったことは大学についてである。私は前期後期を通して、すべてのテストは受けなかったもののドイツ語と英語に参加した。授業形式は日本と変わりなく講義室で行われる講義と教室で行われる少人数のゼミナーの授業がある。しかしそこにはしっかりと日本のものとの違いがあり、講義の形式は決して講師が一方的に話すだけでなく学生からの積極的な挙手をいつも求めていて、ゼミナーの授業はシラバスに記載されてる最大人数にかかわらず日本のものよりも少人数で行われ、講師が教室内を頻繁に徘徊し学生からの意見を積極的に求めていた。そういった授業形式がヨーロッパで根付いているのか学生自身もとても積極的で、時には授業時間の半分ほどが学生の質問で終わるほどであった。それを私は日本の大学の講師が逆にそれを求めていないというわけではなく学生自身が授業の雰囲気を発言しづらいものにしているのだと理解し、このような新鮮な授業を心地よく感じることができた。
それ以外に私の印象に残ったことは人間関係である。なぜなら私のこの留学生活のテーマはドイツ語の会話能力の向上であったため、机に向かうよりも誰かと会話をしている時間の方が非常に多かったからである。そういったこともあり、様々なイベントや旅行に誘ってもらうことができた。しかしそのように生活しているといくつかのいざこざが起きたのだが、それを機に私の知らない私の人となりを知ることができたり以前よりも上手な人づきあいができたので、それゆえ人間として大きく成長しとても有意義な時間を過ごせたと感じた。それ以外にもドイツでは言語、1人暮らし、交通機関や店のシステムなど私にとって初めての経験が多かった。そういった経験も19年間使ってきた日本語ではなく、2年間学んだドイツ語で対処しなければならなかったので、それも私を人間として成長させてくれる糧になってくれた。

 

 留学前、私は留学することの目的は語学力の向上か専門分野の研究しかないと考えていたが留学を終えた今、それよりも新天地の新しいことずくめのなかで自分の関係を築き行動していくことが大事なのではないかと考えた。日々の行動の一つ一つには何かしらの勇気が必要である。それが何倍にもなる新天地で臆せず自分の考えを述べ、相手に認めてもらう。こういったことは何も考えず大学生活を送っていれば得難い経験で、それはしっかりと行動すればしっかりと人間関係という形で返ってくるので、そういった意味では留学当初の初心を忘れずに今後の就職活動、そしてその後に続く生活の役に立てていきたい。