高原氏からは、演台を使い噺家のような調子で、教育や生涯学習のあり方、TAMA市民塾の運営についてお話しいただきました。
ご自身が関わってきた先端技術商品の開発の経験から、「教育は生涯にわたって実際に役立つものでなければなりません。体験がどれだけあるかが必要になります。そのためには、学校教育は『楽しく考え、行動する場所』、学習は『楽修』とならなければなりません」と教育のあり方が示されました。そのひとつとして歴史や財政状況などを「感覚的にわかる単位に言い換え」て伝えていることが紹介されました。
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教育・研究/Education & Research
2004年12月17日(金)16:10より、土岐寛研究員(大東文化大学法学部教授)の総合司会で、第四分科会の基調講演・シンポジウムが開かれました。
高原氏からは、演台を使い噺家のような調子で、教育や生涯学習のあり方、TAMA市民塾の運営についてお話しいただきました。
ご自身が関わってきた先端技術商品の開発の経験から、「教育は生涯にわたって実際に役立つものでなければなりません。体験がどれだけあるかが必要になります。そのためには、学校教育は『楽しく考え、行動する場所』、学習は『楽修』とならなければなりません」と教育のあり方が示されました。そのひとつとして歴史や財政状況などを「感覚的にわかる単位に言い換え」て伝えていることが紹介されました。
また、「平均寿命80歳の生涯時間は70万時間あります。睡眠時間、授業時間、勤務時間を除いたその半分程度の時間を『家庭と社会の時間』に費やすことができます」と生涯学習に使うことができる時間が多くあることが示されました。最後に、「TAMA市民塾では『人間としての自己発展』を期待しています」と紹介がありました。
松本氏からは、東松山市きらめき市民大学の運営状況、生涯学習の意義についてお話しいただきました。
市民大学の概要や、学生の選抜方法、学生の活動、卒業後などについて紹介の後、「『生活学習のためのまちづくり。まちづくりのための生活学習』という運営方針でおこなっています。日常的な文化・教育を通じてまちづくりのなかでの市民参加を期待しています」と卒業生への期待が示されました。
また、「学校教育が制度化され、上から教え込まれてきましたが、自由な発想でおこなえる『市民教育・市民大学花盛りの時代』がやってきました」と生涯学習の意義の高まりについても指摘されました。
両氏の基調講演後、和田守研究員(大東文化大学法学部教授)を加え、首藤研究員(大東文化大学経営学部助教授)の進行によりシンポジウムに移りました。
首藤研究員から「市民教育や大学教育はどうあるべきか」との問いに対して、高原氏からは「大学の教員は専門家であるが、分野が狭い。商品開発をするには広いイメージがないとできない」などと意見が呈されました。松本氏からは、「以前は家族が教える場というのが明確でしたが、現在では、成長段階で多くのことが教えられていません」と社会と教育の変化についてお答えいただきました。和田研究員は、アメリカのコミュニティカレッジの歴史的展開を紹介した後に、「夢をもたないと教育はやっていられない」とご自身の教育観を主張されました。
最後に、「市民大学・市民塾の運営方法」について、「TAMA市民塾は、半期で500人くらい参加していますが、受講生は非常に満足しています。受講生が次の講師になることもあります」(高原氏)。「きらめき市民大学は、学生からの満足度が高いことから、2004年度から大学院(2年間)も設置しました。将来は、卒業生の課題研究を市長・議長への政策提言・行政支援となる方向へもっていきたい」(松本氏)と展望をお話しされました。