Education & Research

区民参加の推進と協働による地域づくり

概要

2004年12月17日(金)~18日(土)

テーマ
地域デザインフォーラム(基調講演・公開講座)
―区民と大東文化大学教員・区職員がともに『板橋のまちづくり』を考えるために―
会 場
大東文化大学板橋校舎 多目的ホール/3号館30101教室
和田守研究員(大東文化大学法学部教授)

今会は、東田親司研究員(大東文化大学法学部教授)の司会で開会されました。まず、研究員を代表し、地域デザインフォーラムの生みの親というべき和田守研究員(大東文化大学法学部教授)の挨拶がありました。
和田「本日は平日のお忙しい中、たくさんの方にご来場いただきまして感謝申し上げます。5年前に発足したこの『地域デザインフォーラム』は、2004年で5年目を向かえます。今年からは第三期に入りました。第二期までは、中村昭雄研究員(大東文化大学法学部教授)を代表とし、3つの分科会を設置して活動して参りましたが、第三期は、東田研究員を代表とし、改めて分科会を4つに再編し、活動しています。今日、明日の二日間で、地域で活躍するたくさんの方々のお話しを聴けるので、一般の受講者の皆様のみならず、学生にとっても大いに参考になるはずです。また、フロアからも積極的にご発言いただけることを心より期待しております」。

基調講演

2004年12月17日(金) 10時40分~12時

テーマ
区民参加の推進と協働による地域づくり
講 師
板橋フォーラム実行委員会代表 鈴木好行氏
会 場
大東文化大学板橋校舎 多目的ホール
鈴木好行氏(板橋フォーラム実行委員会代表)

鈴木好行氏(板橋フォーラム実行委員会代表)から1時間15分に亘り、基調講演を頂きました。鈴木氏は、板橋区で、ボランティア振興、自治、協働の推進を図るため、ボランティアが集う不偏不党の民間団体・『板橋フォーラム』の実行委員会の代表を務められています。2002年からは、山口二郎氏(北海道大学教授)、筑紫哲也氏(ジャーナリスト)、田中秀征氏(元経済企画庁長官)をはじめ、学識経験者、各自治体関係者、板橋区役所職員、区議などをパネリストとしたシンポジウム「板橋フォーラム」を毎年開催しており、また、協働に関する調査研究活動報告書を公表されています。また、「いたばしボランティアフェスタ」や「板橋区民祭り」への参加など、板橋区を拠点に、積極的に活動を展開されています。

鈴木氏は「自分は、民間企業の職員であって、活動は仕事の後に行っています」とその仕事ぶりを紹介された後、自分がボランティアに関係されるようになったご経験を披露されました。
鈴木「1995年1月に阪神・淡路大震災がありました。ボランティア元年とも言われる年ですが、入社して2,3年目であり、必ずしもそれが直接のきっかけにはなりませんでした。しかし、その後、仕事にも慣れ、仕事以外で自分と社会との切り口を探す余裕が生まれてきました。そのときに、『一瞬の交差』と言いますか、ボランティアへの関心を持ちました。それからは、仕事、プライベート、休養、とともに『ボランティア』が人生の4つの柱の一つになって行きました」
また、2001年、国連の提唱する「ボランティア国際年」に、板橋で行っている草の根ボランティアの声を、国連にメッセージとして届けようという試みについてのご経験を披露されました。
鈴木「国連から何らかのメッセージを貰うというのが目標でした。それは、板橋でやっているようなlocalな動きが世界を変えてゆくと考えていたからです」。

基調講演の様子

そして、最後に、ご自身の経験から、行政側との「協働」をいかに達成してゆくべきかについて、熱気のこもったお話がありました。
鈴木「区民参加、行政との協働を、市民の側から達成して行くことが重要だと思います。自発性が鍵だと思います。そして、行政の側と市民の側が、個人の能力を磨き上げる努力を続けることです。『協働』とはともに汗をかくことであり、ともに参加しあうことだと思います」
最後に、このデザインフォーラムを地域のネットワークの基盤として発展させることも必要ではないかとのお話しがありました。