Education & Research

地域社会がかかえる政策課題

2001年3月10日13:30~、「パートナーシップを基本理念とした地域社会のあり方について」と題して講演とシンポジウムを開催しました。

概要

日時
2007年12月7日(金)13:30~17:00
会場
大東文化大学板橋校舎1号館10301教室
主催
大東文化大学・板橋区

開会・挨拶(13時30分~)

開会
大東文化大学経済学部長 中村年春
挨拶
大東文化大学学長 和田守
板橋区副区長 安井賢光

事例報告(13時40分~14時00分)

テーマ
「持続可能な都市再生」の担い手を求めて
~高島平再生プロジェクトによる「環境創造型人材」の育成~
報告者
大東文化大学環境創造学部長 土井幸平

研究発表(14時00分~16時40分)

第1報告
「危機管理と自治体」
第2報告
「少子化対策~非婚化・晩婚化を視座にして~」
第3報告
「学生のにぎわうまちづくり~不動通り商店街の活性化~」

趣旨

講師 / 山岡 義典(日本NPOセンター常務理事)

第4期地域デザインフォーラムの共同研究成果「地域社会がかかえる政策課題」を公表します。

第1分科会報告:「危機管理と自治体」

危機管理の事例研究として、阪神・淡路大震災や能登半島地震、JR福知山線列車事故の調査研究と危機管理に関する板橋区職員アンケート調査結果を報告する。

第2分科会報告:「少子化対策~非婚化・晩婚化を視座にして~」

国、東京都、板橋区の少子化対策の現状と効果、茨城県や福井市の先進事例調査報告、少子化対策に関する大東文化大学学生および板橋区職員アンケート調査結果の報告と今後の対策を模索する。

第3分科会報告:「学生のにぎわうまちづくり~不動通り商店街の活性化~」

学生の地域参加をテーマに、不動通り商店街(徳丸)の活性化を図る「μプラン」を中心とした「元気になるまちづくり」を提案する。

事例報告

地域デザインフォーラム・公開講座は、2007年12月7日13時半より「地域社会がかかえる政策課題」をテーマに、中村年春研究員(大東文化大学経済学部長)の総合司会により開かれました。第一部では土井幸平研究員(大東文化大学環境創造学部長)による事例報告、第二部では各分科会による研究成果報告がありました。今年度は、これまで「地域デザインフォーラム・総会」としておこなってきたものを「公開講座」とし、また、例年より3カ月前倒してブックレットを作成し、会場で配布しました。公開講座には、区民をはじめ、学生や区職員など多くの参加者があり、地域の問題を考え、意識を高めるものとなりました。

事例報告に先立ち、総合司会の中村研究員から開会挨拶後、主催者を代表して、和田守・大東文化大学学長、安井賢光・板橋区副区長より挨拶がありました。

引き続き、土井研究員の事例報告に移り、文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採用された"「持続可能な都市再生」の担い手を求めて~高島平プロジェクトによる「環境創造型人材」の育成~"の紹介を中心に、大東文化大学における地域連携の取組みについて報告がおこなわれました。まず、現代GPの運営の中心となる、自身も所属する環境創造学部での教育や地域活性化プロジェクト(中板橋・なかいた環創堂)の成果についての説明がありました。2007年から3年間の予定で取組む現代GPについて、「12月からは学生や留学生を対象に高島平団地居住の募集が始まります。2008年2月にはコミュニティ・カフェが開店し、ミニFM局の開設も予定しています。すでに"ひざ痛体操"の公開講座が3回開かれ人気があります」と、主なプログラムの紹介がありました。

研究発表

引き続き、研究成果報告に移り、各分科会からの報告に対して積極的な質疑応答がありました。報告内容は、次のとおりです。

第1分科会「危機管理と自治体」

湯本隆研究員(板橋区生きがい推進課長)により、「事例研究と意識調査」とする報告がありました。事例研究では、JR福知山線列車事故、阪神・淡路大震災、能登半島地震について、ヒアリングと現地視察に基づいた報告がありました。また、板橋区職員に対しておこなった危機管理についての意識調査の結果も報告されました。報告を踏まえ、「危機に対するイメージは従来よりも広がりをみせ、危機管理については情報の重要性が浸透しています。行政との役割分担を明確にすることで広範な分野で住民との協働が期待できます。危機管理は発生時と終結時とでは判断形態が異なる傾向があります。危機管理に対する職員の理解度において不十分な点が一部確認できました」と、現状および今後の課題・可能性を提示されました。
また、研究成果の一部を、2007年度の日本自治体危機管理学会研究大会で発表したことが報告されました。

第2分科会「少子化対策~非婚化・晩婚化を視座にして~」

湯島和夫研究員(板橋区産業経済部長)およびサポート学生(大東文化大学法学部)により報告がありました。湯島研究員からは、少子化の実態を非婚化・晩婚化の視点から明示し、国・都・区の少子化対策に基づく施策の問題点として、結婚・出会いの場の確保といった環境整備の施策が弱さなどの指摘がされました。福井市と茨城県の先進地域の事例の紹介のほか、区職員に対するアンケート結果や他の統計・調査結果の紹介もありました。また、サポート学生からは、大東文化大学の学生に対して実施したアンケートの結果が報告されました。その結果から、学生の結婚観や異性との交際状況、少子化に対する意識などの現状が明らかになりました。

第3分科会「学生のにぎわうまちづくり~不動通り商店街の活性化~」

10分間の休憩後、上遠野武司研究員(大東文化大学経済学部准教授)により、「地域住民・地域社会が元気になるまちづくり」とする報告がありました。「"μプラン"という標語をもちいて、東武練馬─西台間の大東文化大学辺で《学生が育つまち、育てられるまちの計画》」をテーマに大学資源の活用と学生がまちに滞留する可能性について研究をおこなったことが紹介されました。「地域社会の活性化、地域づくり活動への学生の参画、産学公民の連携強化、情報発信、大東文化大学のプレゼンス」からの視点で、具体的には実行可能性のあるテーマについて議論し、そこから期待される効果などを明示しました。

最後に、本間修・地域連携センター所長から閉会の挨拶があり、3時間超にわたる「公開講座」を終えました。