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「漢文質問箱」開設のご案内

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教員のみなさまを対象に、漢文に関する質問を受け付けます!

中国文学科では、小・中・高の教員の方を対象に、漢字・漢語・漢文に関する質問箱を開設することになりました。

先生方が漢文の授業をされる際や、生徒からの質問にどう答えてよいかわからないことなどあれば、是非ご質問ください。

本学科教授陣がお答えいたします。

ご質問は、下記要領に従ってメールでお送りください。

 

問い合わせ方法

 

・小学校・中学校・高等学校の教員を対象といたします。

・所属学校・氏名を明記の上、ご質問内容を下記メールアドレスにお送りください。

 china@ic.daito.ac.jp

ごあいさつ

 中国文学科では、漢字・漢語・漢文に関する質問箱を開設致します。

 漢字は中国語を表すための文字です。ですが今では日本語に必要不可欠な一部でもあります。それは日本語や日本文化が中国の文字や文化を吸収しながら形成されて来たためです。もと外国の文字であったものを、先人の努力により日本語のなかに取り込んでいったのです。

 その結果、私たちは「読書」や「登山」と言った言葉を日常的に使用していますし、こうした漢語がなくては日本語は成り立ちません。ところがこの言葉の構造には日本語の文法にはない構造のものもあります。「読書」は「書を読む」、「登山」は「山に登る」と読むことが出来ます。つまり熟語の上の文字が動詞で、下に来る文字が目的語あるいは補語ですので、こうした語順は日本語の文法にはありません。

 二字の漢語は、漢語の文法により構成されています。つまり漢字二字の熟語は最も短い漢文と言うことが出来ます。それは更に言い換えれば最も身近な異文化でもあります。

 かつて文章読本を書いた文豪は、漢字により簡単に言葉が作れることに懸念を示しました。これは漢字が造語力に優れている事を言ったものと言えます。

 実際に日本語は漢字を取り込むことで多くの言葉を簡単に作れるようになりました。例えば「物性」という言葉は、物理の用語ですが、これは日本独自の言葉で、英語にない言葉です。訳すだけでなく、言葉を創作した例と言えるでしょう。

 それと同時に外来語を取り込むときに訳語を作るということは現在でも行われています。日本語に訳すのですが、これらの言葉は漢字を用いて言葉が作られます。例えば「コンプライアンス」を「法令遵守」と訳す等です。最近よく聞く線状降水帯という言葉も英語の訳語です。このように漢語は今も増え続けています。

 しかし、言葉を作るには漢字や漢語、漢文の知識が必要になります。言葉をつくらないまでも、日本語を理解するためにも漢字や漢語、漢文の知識が必要になります。漢字の造語力により簡単に言葉が作られることよりも、今ではこの漢字、漢語、漢文の知識を獲得することに時間が割かれていないことを心配しなくていけなくなりました。

 産業のコメと言う言葉があります。これは産業の中心と言う意味です。このコメは高度経済成長期は鉄でしたが、今は半導体です。この言葉に擬えれば、日本語のコメは漢字ではないでしょうか。

 中国文学科では、新たな文化を創造していくためにも、漢字、漢語、漢文の知識は重要だと考えています。そのためこの分野の知識を活かし学校教育の支援をしたいと考えました。漢字、漢語、漢文の知識は勿論、授業に必要な人物の知識、作品の検索方法、中国古典の文献等に関する質問 を受け付けます。ぜひ活用いただきたいと思います。