法学研究科講演会「法益論―刑事政策における批判的基準となりうるか?」が開催されました。
ミュンヘン大学法学部教授のアルミン・エングレンダー(Armin Engländer)先生をお招きして、「法益論―刑事政策における批判的基準となりうるか?(Die Rechtsgutslehre: Ein kritischer Maßstab für die Kriminalpolitik?)」と題する講演会を開催し、学内外から多数の参加者を得ました。広く支持を得られている理解によれば、刑法の目的は法益の保護にあるとされていますが、エングレンダー先生は、法益が有する機能について、刑罰法規を解釈する指針となるものの、刑罰法規を批判的に考察する機会を立法者に与える機能までは有していないことを主張されました。講演後は、出席者からの質疑応答に入り、活発な議論が行われました。
社会で起きている問題を法律学の観点から検討する際、国内の議論のみならず、他国での最先端の議論にも目を向けることは非常に大切なことです。国際交流も図られるこのような講演会を今後も企画したいと考えています。