Graduate school

文学研究科

5人が青山杉雨賞を受賞

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 2010年度に設けられた「大東文化大学青山杉雨賞」の授与式が6月6日、板橋校舎で行われ、受賞者5人に賞状、目録、記念品が授与された。
 同賞は、本学元文学部教授の青山杉雨(さんう=本名文雄=)氏のご遺族から教育研究支援資金の寄付申し出を受けて制定。同学部書道学科、大学院文学研究科書道学専攻に在籍中に学内外の書活動において特に優秀と認められる者に授与される。
 太田政男学長は「大東文化大学にとって『書』の存在は大きなものであります。今回受賞された皆さんは努力の甲斐があってのこと。今後も精進して力をつけてほしい」と称えた。
 青山家を代表して長男の慶示氏は祝辞で「研究や書作の一端になれば幸いです。書に興味を持つ人が一人でも多くなるよう精進してほしい」と述べた。

受賞者と受賞理由は次の通り(敬称略)

香取 潤哉 (10年度文学研究科博士課程後期課程書道学専攻修了)

 後期課程に入学以来、毎回課題に向けて必ず自ら研究した調査報告があり、たえず前向きで誠実な授業態度でした。昨年度博士の学位を取得しましたが、その内容は今後に発展性があり、期待できるものであります。読売書法会にて幹事、台湾真理大学・台湾世新大学・台湾台北市士林社区にて非常勤講師を務めるなど日本、台湾を通じて書学・書道ともに精通し高邁な学識を有しており、日台交流の一翼を担う役割を果たしています。

黄 華源 (同)

 2010年度博士学位論文「台湾書法史の基礎研究(1885年~1985年)」は、審査員全員から非常に高く評価され書道学博士号を取得しました。新たな視点から斬新な結論を導き出した傑出した研究成果であり、大東文化大学の「書道学」を日本のみならず、台湾においても得るものです。また本年度発足した、大東文化大学台湾同窓会の台北支部幹事として重要な架け橋となる人物であり、日台芸術文化交流を促進しうる人材です。

藤森 大雅 (同)

 2010年度書道学博士号を取得しました。第67回謙慎書道会展推薦顧問賞、第37回第41回日展入選、第24回読売書法展読売奨励賞、第27回読売書法展読売俊英賞を受賞し、現在は謙慎書道会理事、読売書法会幹事に就任しています。また今年度4月より書道研究所専任研究員として勤めており、今後の活躍が期待されます。

岡部 容枝 (10年度文学部書道学科卒業)

 大学入学直後から篆刻を中心に制作・研究を真摯に進めました。学年の代表として、またゼミ長として指揮を執り、リーダーシップを発揮しました。その明るくエネルギッシュに学年の意向を一つにまとめた熱意と姿勢には、学生からの信頼も厚いものがあります。謙慎書道会展・読売書法展には入選・入賞を果たし、4年次では全日本高校・大学生書道展篆刻部門において最高賞である大賞を受賞しました。

野村 理恵 (同)

 書に対する姿勢は積極的で意欲を感じます。大学入学以来、創玄展において二科賞、詩文書部一科特選、漢字部一科秀逸、また毎日書道展において、近代詩文書U-23毎日賞を受賞。第42回日展でも初入選を果たし、今後も期待されます。

※無断転載を禁じます

青山杉雨氏は1912年愛知県名古屋市に生まれ、親類の中に書道家がいたことから書の道へと進み、30歳で書道家の西川寧氏に師事し、本格的に書家の道を歩みはじめた。
55年4月から、本学の講師となり、59年から86年まで教授をつとめた。69年から85年の16年にわたり本学書道文化センター(現書道研究所)の初代所長をつとめ、松井如流氏、熊谷恒子氏、今関脩竹氏、宇野雪村氏、浅見筧洞氏らとともに大東書道の礎を築いた。
青山氏は、63年に『周易抄』で日展文部大臣賞を受賞したのをはじめ、65年には『詩経の一節』で日本芸術院賞を受賞。また、謙慎書道会理事長を歴任する傍ら、伝統の書に立脚しながら現代感覚の高い独自の表現様式を確立し、さらには後進の指導や団体の育成、国際交流にも尽力したその功績が認められ、88年に文化功労者、92年文化勲章を受章。