Graduate school

スポーツ・健康科学研究科

健康科学科・早坂准教授が、日本公衆衛生学会奨励賞を受賞

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 健康科学科の早坂信哉准教授が、10月24日~26日に山口県で開催の第71回日本公衆衛生学会総会で「日本公衆衛生学会奨励賞」を受賞することが決まった。受賞研究は「介護における安全な訪問入浴の実施と健康関連因子としての浴槽入浴習慣に着目した研究」。
 日本人にとって入浴は重要な生活習慣だが、その効果や関連する体調不良発生状況について、これまで疫学・公衆衛生的な研究はあまり行われていなかった。今回、介護分野での入浴関連の体調不良発生状況から、一般住民における入浴習慣がもたらす心身への影響まで10余年にわたって一貫して研究を重ねてきたことや、入浴習慣の重要性そのものが評価された。

早坂准教授の話
 日本人にとって浴槽に浸かるという生活習慣は重要なものですが、これまではあまり医学的疫学的な調査がなされてきませんでした。自分自身が医療の現場で直面した「どの程度の体調までなら、患者さんは安全にお風呂に入ることができるのか」という素朴な疑問がきっかけとなり、入浴をテーマにライフワークとして長らく研究して参りました。このテーマの重要性や地道な研究の積み重ねを認めていただき、由緒ある賞を受賞できて大変光栄に思い、また本当にうれしく思っております。

本研究のポイント


  1. 特に身体状況の悪い高齢者が入浴介助を必要としており、入浴によって体調不良を起こしやすい状況であることが分かった。介護サービスでの入浴の提供には留意が必要であると思われた。

  2. 介護サービスの訪問入浴に関連して発生する体調不良では、意識障害が最も多く、その頻度は入浴1万回あたり0.20回であったことが初めて分かった。

  3. 一般住民を対象にした入浴関連体調不良等発生頻度は、入浴1万回あたり0.43回であることが初めて分かった。また毎日浴槽入浴している者は主観的健康感や睡眠が良好であったことが分かった。