修士課程・博士課程をとおして、戦後日本の地方自治について主に研究をしてきました。諸外国を研究テーマにされている先生方に接し、また、アメリカ・ユタ大学のレベナー先生やフィンランド・タンペレ大学のアンティロイコ先生とヴァルカマ先生といった海外からのゲストスピーカーによる講演会などに参加するなかで、研究の柱となるもうひとつのテーマが必要ではないかと考えるようになりました。
そうしたときに、幸いにも「外国留学制度に係る奨学金給付生」に採用され、タンペレ大学地方自治学科で1年間学ぶ機会を得ました。博士論文の執筆を本格化すべき時期でもあったのですが、先生方から激励を受け、一歩踏み出す勇気を与えてくれました。今思えば、私に不足している点を先生方は認識されていたのだと思います。留学で得た知見は、現在の教育活動・研究活動において常に意識し影響を受けています。前職では複数の政治学関連科目をひとりで担当していましたので、留学の経験を講義に反映させることができました。
院生当時は意識していなかったことですが、気づくと、先生方の手法を吸収し、それをモデルとして学部生・院生に対して教育・指導にあたっている自分がいます。法学研究科で学んだ経験は、私を大きく成長させてくれました。