社会人のためのアジア理解講座
お茶を愉しむ~日本、アジア、ヨーロッパ~

※募集は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

大東文化大学国際関係学部では、文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」選定(2006~2008年度)「アジア理解教育の総合的取組」関連企画として、「社会人のためのアジア理解講座」を開講いたします。講義は全6回、それぞれに第一級の先生をお招きして、大いに弁舌をふるっていただきます。

これまでの「高校生のためのアジア理解講座」では、現在のアジア理解に繋がるよう、アジアにまつわる様々な事象や問題について平易に分かり易く解説してまいりましたが、今回は「茶」をキーワードにアジアと世界を結びます。6回全てが連関していますので、是非とも6回通しで受講していただきたい講座です。

茶はアジア発の世界飲料と呼ばれます。各地域の茶文化はどのように生み出され、変化発展してきたのでしょうか。お茶をとおして、アジアと世界の文化を学んでみませんか。

「ヨーロッパの茶文化」:10月25日 14:00~16:00

大東文化大学准教授 瀧口明子

ヨーロッパへの茶の輸入開始は17世紀初め、オランダ船が運んだそのお茶は,日本茶と中国茶だった。当時ヨーロッパには世界各地から珍しい物産が伝わり,タバコ、ココア、コーヒーなども流行の兆しをみせていた。反対論もあったものの、茶や砂糖をはじめとする外来の嗜好品は欧米の日常生活に不可欠の必需品となってゆく。アジアからの影響を受けながら独自の伝統を生み出し、世界に広がってきた欧米の茶文化の歴史と現在について、砂糖とお菓子にも注目しつつ語りたい。

「中国の茶文化」:11月1日 14:00~16:00

東京学芸大学教授 高橋 忠彦

世界で最初に喫茶の習慣が普及し、高度な「茶文化」が生み出されたのは、中国であり、日本の抹茶文化も、欧米の紅茶文化も、中国に淵源する。喫茶の方法についていえば、唐代には、粉末の茶を鍋で煮出す「煎茶」が完成し、宋代には、粉末の茶に直に湯をかけて攪拌する「点茶」が流行し、元・明にかけては、葉茶に直 に湯をかける「泡茶」が発展し、現代にいたる。この発展変化の歴史と、現代中国の喫茶の状況とを、ともに解説したい。

「日本の茶文化」:11月8日 14:00~16:00

大日本茶道学会副会長 田中 仙堂

日本の茶文化は、大陸での喫茶方式の変遷にしたがっているようであって、過去に大陸から導入した喫茶方式を完全には棄て去らなかった。しかし、伝え続けていく過程で、中国から導入された当初とは違った形式や内容を備えることになる。その契機を問い直す形で、日本の茶文化の特色を考え直してみたいと考えている。佛教儀礼の存続、武家文化の洗練過程、西洋を介しての砂糖の受容等の契機を指摘することを予定している。

「紅茶と砂糖の出会い~オランダ東インド会社、オランダ西インド会社の果たした役割~」:11月15日14:00~16:00

大東文化大学名誉教授 生田 滋

紅茶に砂糖を加えることは今日ごくありふれた行為である。しかし17~18世紀といった時代を考えてみると、紅茶は中国から、砂糖は新大陸からヨーロッパに輸入された商品であって、甘い紅茶はいわばワールド・システムの象徴なのである。あまり知られていないことであるが、この両者の結びつきにはオランダ東インド会社とオランダ西インド会社が大きな役割を果たしている。今回の講義ではこの点について紹介してみたい。

「スリランカ紅茶の楽しみ方」:11月22日 14:00~16:00

紅茶研究家・エッセイスト 磯淵 猛

16世紀始めからセイロンは、ポルトガル、オランダ、と150年間ずつに亘り支配され、19世紀半ばからイギリスの植民地になりました。スパイスからコーヒーそして、紅茶の国へと変わり、世界一の紅茶輸出国になりました。その紅茶は、スリランカの国の人たちにも愛飲されています。そこにはイギリス風とスリランカ独自の飲み方が残り、彼らの意識によって使い分けられています。茶園の様子、働く人たち、製茶の方法、をご紹介し、未來に向けて紅茶がどのように使われ、変化していこうとしているのかお話致します。

「西アジアの茶文化~イラン・アフガニスタンを中心に~」:11月29日 14:00~16:00

アジア経済研究所・副主任研究員 鈴木 均

西アジアにおけるペルシャ語圏であるイランとアフガニスタンでは、お茶は現在最もポピュラーな飲物である。両国における飲茶の歴史は古いが、イランでは20世紀初頭にアッサム地方から初めて茶の苗木が持ち込まれ、カスピ海沿岸のギーラーン地方で茶の栽培が開始された。アフガニスタンでは現在でもお茶はもっぱら輸入に頼っているが、その飲茶の盛んなことには1930年代に尾崎三雄も着目し、同国滞在からの帰朝後に「アフガニスタンの人々とお茶」という文章にまとめている。本講義ではイラン・アフガニスタンにおける茶文化の独特なあり様を、エピソードを交えつつ語ってみたい。

会場のご案内

大東文化会館


詳しい地図で見る

20周年記念座談会

国際関係学部 20周年記念誌

大東文化大学国際関係学部 20周年記念誌に掲載された座談会の様子を、web上に公開致しました。

20周年記念誌?

住所変更などの理由により、記念誌を受け取ることができない卒業生が多くいらっしゃいます。ぜひこの機会にご連絡を。ご連絡下されば早急に送付させていただきます。