インドネシア語 Bahasa Indonesia

●インドネシアはどんな国?

インドネシア

成田空港から飛行機に乗って、世界地図で時計の短針が7時をさす方角へ下ってい<と、フィリピンをこえて、赤道をはさんだ広い海域に、インドネシアという国があります。首都ジャカルタまでの飛行時間は、約7時間。]AL と Garuda航空のジャンボ機が毎日2便就航している成田をお昼前に飛び立てば、時差が2時間あるので、現地時間で夕方の5時ごろ、まだ明るいうちにジャカルタに着くことになります。大小1万以上の島々からなるインドネシアは、東西5干キロ、南北3干キロにひろがる大きな国で、その陸地面積だけで日本の5倍もあります。

●インドネシア語とは?

インドネシアの民族

インドネシアは、独自の言語をもつ多くの民族からなる多民族多言語社会です。言語の数は3百以上あるといわれていますが、お互いに言葉の通じない人たちを結びつけるのが、国語としてのインドネシア語というわけです。同じことばを国語に採用している国は、インドネシアのほかに、マレーシア、シンガポール、ブルネイがあり、また、独立したばかりの東ティモールでも、日常のことばとして使われています。5カ国の人口を合わせると、2億5千万をこえるので、インドネシア語(マレーシア語、マレー語)は、世界でも有数の大言語ということができるでしょう。

●インドネシア語はカンタン?

インドネシア語の特徴は、なんといっても、文法が非常に柔軟なことです。英語では、What、Who、When、Where といった疑問詞は、かならず文頭に来ますね。たとえば、「これは何ですか」という表現は、英語では "What is this?" 以外になく、"This is what?" といったら笑われてしまうでしょう。ところがインドネシア語では、この文は "Apa ini?"といっても、"Iniapa?" といってもよいのです(apa=What、ini=this、is に相当する語はない)。日本語で「これ、ナニ」といったり「ナニ、これ」といったりするのと同じですね。siapa (who)、kapan (when)、mana (where) インドネシアといった他の疑問詞についても、これは当てはまります。さらに、うれしいことに、インドネシア語には、受験英語で苦労しておぼえた、動詞の時制変化というのがありません。たとえば「行く」は、インドネシア語で pergi ですが、これで "go-went-gone-going" のすべてを表わすのです。

●そうは問屋がオロサナイ

こういうふうにいうと、いいことずくめで、なんだ、インドネシア語なんて1年もあればマスターできるじゃないか、と思うかもしれません。(もらろん、どんな外国語でも必死に勉強すれば1年でマスターできる!)ところが、じつは、柔軟なことばであるがゆえに、逆にそれがつまずきのもとにもなるのです。わたしはインドネシア語の小説を日本語に翻訳してきましたが、読んでいて、「これ、いったいどう解釈すればいいの?」と思うことがしばしばで、インドネシア人に質問してもわからないことがあるのです。どんな言語でも、外国人であるわたしたちがマスターするには、それ相応の努力が必要で、そう簡単にい<はずはありません。

●外国語を学ぶ意味

インドネシア語

外国語を学ぶ意味は、世界をみる窓がふえることでもあります。日本語だけ、また日本語と英語というふたつの窓だけではなく、もうひとつ別の窓をもつこと。インドネシア語はあなたの世界を豊かにする大きな窓になるはずです。

パサル(市場)に行って、"Mangga ini berapa?" (このマンゴー、いくら?)、"Mahal sekali!" (高いよ!)、"1000 rupiah saja, ya!" (1000ルピアでいいでしょ!)なんてやりとりができたら、どんなに楽しいでしょうか。相手も、「うむ、この人はインドネシア語ができるな」と思って、安くしてくれることうけあいです。

●学習情報

授業では、独自につくったオリジナル教科書を使います。インドネシア語専攻の卒業生で、コミック作家として売り出し中の mameko さん(http://manekonesia.com/)のカラーイラストつきです(この4校はその一部)。インドネシア語に関するインターネット情報は、Sanggar Bahasa Indonesia (http://homepage3.nifty.com/sanggar/newpage1.htm) にまとめられています。ここからいろいろな世界を検索してみてください。

また、大東文化大学国際関係学部では、「アジア理解教育の総合的取り組」刊行物シリーズ No. 2 としてインドネシア語のテキスト『BAHASA INDONESIA』を文部科学省の補助金を得て出版しています。このホームページ上でも公開していますので、興味のある方は以下のリンクからご覧下さい。

BAHASA INDONESIA

※このページは大東文化大学国際関係学部パンフレット「アジアのことば」より転載しました。

インドネシア語テキスト

大東文化大学国際関係学部では、「アジア理解教育の総合的取り組」刊行物シリーズ No. 2 としてインドネシア語のテキスト『BAHASA INDONESIA』を文部科学省の補助金を得て出版しています。このホームページ上でも公開していますので、興味のある方は以下のリンクからご覧下さい。

BAHASA INDONESIA