はじめに

このテキストは大東文化大学でベトナム語を学ぶ1年生と2年生のために編集されたものです。

全20課からなるテキストは、二つのパートから構成されています。

第一部にあたる第1課(Bài1)から第9課(Bài9)では、ベトナム語をはじめて学ぶ1年生を対象に、ベトナム語の文字と発音を身につけること、基本文型をもとにした反復練習を行なうことによってベトナム語の文の構造を理解し、ベトナム語による簡単な受け答えができるようになることを目標としています。

第一部の各課は、テキストを開いた時に左右の頁を対照しながら各項目を効率的に学習できるように、左側の頁には基本文型、右側の頁にはその文型の文法事項の解説や応用練習、関連表現が配置されています。また各課の最後には、それらを実際に運用するのに必要な基礎的な単語が一覧表にまとめてある他、その課で習った重要事項を盛り込んだ平易な「会話」や「読み物」、練習問題を付し、教室で習ったことをもう一度自分で整理し、復習しやすい工夫もしてあります。

第二部にあたる第10課(Bài10)から第20課(Bài20)までは2年生を対象としたもので、1年次で学んだベトナム語の基礎を現実の場で実践・応用できるようになることを目標としています。第二部では、第一部よりレベルアップした表現ばかりでなく、現地研修に行った時にぶつかるであろうさまざまなシーンを想定した会話文を通して、ベトナムでの日常生活に必要な単語や言い回しを習得することができます。また各課の最後には、練習問題の他に「一口会話」というコラムを設け、すぐに使える便利な会話表現がまとめてあります。

このテキストは、加藤栄が作成した原稿をたたき台として、本学非常勤教員である伊藤未帆、グエン・フオン・ラン両先生のご協力とご助言を得て編集されたものです。第二部の原稿作成にあたっては、ハノイ国家大学ベトナム語科教員、グエン・ティ・グエット先生のご協力をいただきました。またテキストの随所に配された素敵なイラストは、国際関係学部2007年度卒業生、福崎香織里さんに描いていただきました(一部、クリップアートを使用)。ここに記して心から謝意を表します。

このテキストがみなさんのベトナムへの関心を高め、また現実の場でベトナム語を活用する際の助けとなることを期待しています。

なおこのテキストは、文部科学省の2007年度「特色ある大学教育支援プログラム」に選定された大東文化大学「アジア理解教育の総合的取組」の事業の一環として、文部科学省の補助金を得て出版されたものです。今回の改定にあたり、初版の不適当な箇所を訂正しました。

2009年3月

加藤 栄

【おことわり】

web上で公開するにあたり、画面表示の都合上ページ見開きは実現できませんでした。ここでは、本来なら冊子の左側にある基本文型を上に、そしてそれに対応する冊子右側の解説をその下に表示しています。すなわち、Luyện tập (1)の基本文型を先に示し、その下にLuyện tập (1)の解説が続くといった具合です。予めご了承頂いた上でご覧頂きますよう宜しくお願い致します。